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​私のRolfing®のとらえかた              2024/2/4 

 私個人としては、ロルフィングのセッションというのは、「自分の身体を捉え直す機会」と考えています。主に身体の感覚を通して自らの身体を見直すことで、客観的には人体に備わっている機能を活かすことが可能になり、主観的には心身の心地よさ・爽快感を感じることができる、更には維持することを覚える切掛けの場の一つであると言うことです。

​ 「捉え直す機会」、「覚える」という言葉を用いると、なんだか難しいもののように感じる方もいらっしゃるかと思いますが、クライアントに求められることは、とても簡単で、セッション中を含めセッション前後のご自身の身体の変化を意識を向ける(感じ取る、味わう、楽しむ)のみで良いのです。

 多くの場合、実際の生活場面においては、「自分の身体を捉え直す機会」という抽象的な目的ではなく、身体の痛みや不具合に対処するケア(手入れ)目的にロルフィングに興味を持ち、利用を開始するということが、ほとんどであろうと思います。他には、スポーツ・競技に必要な柔軟性や協調性を得るなどの自己開発の目的でと言うことがあるかも知れません。しかしながら、痛みや不具合に対処する、或いは、特定の運動に身体を特化させるためには、身体に一定の制限を必要とすることが有ります。身体にとって不自然なことを課すのは、本来のロルフィングの目的や方向性とは違うものとして捉えて頂く必要があるかも知れません(個別対応の中で求められれば、情報提供や運動の紹介をすることは有ります)。

 ロルフィングの目的・方向性は、自分の身体と調和する(ムリなく付き合う)ための“気づき”を得ることが第一となります。個人的な体験としての“気づき”が、どの段階で起き、そこから、どのような変化に繋がるかは、厳密には定めることが出来ません。“気づき”という不確定なものを少しでも安定させるため、ロルフィングの一般的なセッションでは、段階的に、毎回テーマを設けることで、大切な“気づき”が得られるよう工夫されています。10回のセッションというのは、大義に感じられる方もいらっしゃるかも知れませんが、全身を網羅し、身体各所の関係性を感じ取り、全身の一体感(統合感)に至るための最短の行程の平均値として設定されたものであろうと考えています。

 ここまで読まれた方でしたら、ロルフィングは、即座に都合よく身体を変えたり、身体の能力を劇的に伸ばしたりするようなものではない(個人の体感の中では大きな変化と感じられることはあるかも知れませんが…)と御理解いただけたと思います。しかしながら、“気づき”の先に得られた身体の状態が、最初に思い描いた状態と同じものであるならば、それは、数多ある可能性の中の結果の一つとして、素晴らしい体験と言えるでしょう。

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